昔々、といっても、まぁ たかだか十数年ほど前の話だけど(←十分昔だろ;;)
学校の帰りに新宿へ繰り出すと、かならずといっていいほど誰かが
「じゃぁさ カラオケ行く?」
と言いだし、小遣いも少ないので一時間学生○○円の魅力もあって
何となく、「いいよ〜」って事になるのが恒例だった。
一部屋ごとの値段だった場合、5人ほどで行けば、
千円もかけずに長時間遊べるので貧乏学生には有り難い遊び場だった。
時代的に、皆がよく歌っていた物として、
今井美樹 中森明菜 工藤静香 プリンセスプリンセス 竹内まりあ ドリカム 等々
今のカラオケでは、一部は勇気を必要とするかもしれない曲達だが当時はそれがナウでヤングな選択だったのだ。
男の子のハートを射止めたいときは、今井美樹の「瞳をとじて(だったか?)」は効果的だと皆信じていたし
当時あったセブンティーンという雑誌の「彼女に歌って欲しい歌ランキング」でも上位に入ってたはずである。
ちょっと大人っぽくアブナイ女の子をアピールするには
中森明菜等の「難破船」や「TATOO」を歌うというのも暗黙の了解であった。
そして、男子だった場合は、最先端を気取るならB'z や シャ乱Q や WANDS 等
激しい派の男子はX や バイセクシャル等
流行っていたからなのかは不明だが 徳永英明の「壊れかけのRADIO」などもよく耳にした。
そして、グループカラオケ(今で言う合コンのような物)で、ほぼ100%に近い確率で
歌われていたのが【COMPLEX】の「恋を止めないで」である。
ちなみに知らない人がいるかも?なので説明すると
【COMPLEX】は吉川晃司と布袋 寅泰が組んでいたユニットである。
この日記を書くに辺り、ネットでCOMPLEXを調べたら、たまたま当時の吉川晃司と布袋 寅泰の写真を
見つけたのだが、あまりのセンスの奇抜さに目を覆いたくなった…。
まぁ、いまでこそB’zの稲葉さんもあんなに、野性味溢れるカッコウイイ男ではあるけど、
当時は、紫のダブルのスーツ(ボタン部分に金チェーン付き)を素肌に着用という荒技を
堂々と披露していたものなのだ。
今そんな格好をしているのは、場末のホストくらいだと思うが……。
とまぁ、それは置いておいてその【COMPLEX】の「恋を止めないで」でという曲。
これは非常に素敵な曲である。ノリもいいけど何と言っても歌詞がとてもキュンとなる(笑)
【COMPLEX】ファンではなかったが、この曲は当時も大好きだった。
歌詞の中に
「お嬢さん」(みのもんたではなく)や「コロン」などと言った、ちょっと時代錯誤な台詞があるがそれでも
この曲で歌われている男は格好いいとつくづく思う。
簡単に纏めれば【土曜日の夜に彼女(?)をデートに誘いに来た男の歌】(そうなのか!?)である。
「家の前で待ってるよ♪誰が引き止めても」や
「もう出かける時間だろ。しっかりコロンはたいて」の部分でちょっと強引な男を感じさせ
「土曜の夜さ、連れ出してあげる」や
「どんな事からも守ってあげるから」の部分でちょっと悪っぽい(苦笑)王子様な一面を…
大人になると悪い感じを匂わせているより、誠実な男に魅力を感じてしまうが、大概若い頃というのは、
ちょっと悪っぽい雰囲気の美形(でも本当に悪いヤツだとダメ)によろめいてしまうものなのだ。
少なくとも、私はそうだったの(笑)
好きだとか愛してる とか 君さえいれば などの甘い言葉がなくても「恋を止めないで」は
乙女のハートをがっちり掴んだ王道ラブソング的な歌詞なのである。
何故、急にこんなネタなのかというと、
出先の店の有線(かなにか、そんなの)で曲がかかって、フと思い出したからだ。
誰かのリクエストだったのか、それとも有線じゃなくそこの店員の「お気に入りベスト」だったのか……。
当時は土曜日の夜12時くらいになると、「恋を止めないで」のような男子がデートに誘いにきてくれないものか
等と淡い夢を見ていた物だが、実際はやはりそんなに素敵な出来事はなく。
いつまでも馬鹿な妄想で夜更かししている娘を叱咤するべく、父親が部屋に乱入してくるのがオチである。
「いつまで起きてるんだ。早く寝なさい」
「恋を止めないで」というより「妄想をとめないで」といった所か…。つまらんな……。